なぜメガシンカだけがこれほどまでに「かわいそう」と形容されるのか。その答えは、その後に登場した戦闘システムとの対比によってより鮮明になる。
第8世代の「ダイマックス」は空間の歪みによる巨大化であり、第9世代の「テラスタル」はポケモンのエネルギーを宝石状の結晶として身に纏う現象だった。これらには「ポケモンの肉体が破損する」「狂気に陥る」といった悲壮感あふれる設定はほとんど存在しない。むしろフェスティバル感や洗練されたバトル演出が強調されている。
こうして見ると、メガシンカがいかに異質な存在であったかが際立つ。肉体の損壊、精神の汚染、不可逆的な苦痛――。ゲームフリークが第7世代で提示したダークなリアリズムは、後続のシステムには引き継がれなかった。だからこそ、メガシンカは今なお「最も重く、最も悲劇的なパワーアップ」としてファンの記憶に刻まれ続けているのだ。