元子が挑む相手は、病院長や予備校理事長、政界の黒幕といった「持てる男たち」だ。彼らは表向きの社会的地位や権威を誇りながら、陰では脱税や愛人囲いに奔走し、女性を都合の良い道具として見下している。元子はその身勝手なプライドと油断を突く。
「男たちが自ら作った暗黙のルール」を熟知し、それを逆手にとって追い詰めていくプロセスは、圧倒的な爽快感を観客に与える。だが、彼女の戦いは常に刃の上の綱渡りだ。一度牙を剥いた権力構造は、容赦なく復讐の手を伸ばしてくる。爽快感のすぐ隣に、常に全財産と人生を失う恐怖が隣り合わせになっている緊張感こそが、この物語の真骨頂と言える。