ドリフと新宝島を結ぶ狂気と美学 サカナクションが仕掛けた奇跡の特集記事を解説します。専門的な知識がチェックできます。

ドリフの音楽性を語る上で外せないのが志村けんだ。熱狂的なソウル・ミュージックやファンクのレコードコレクターだった志村は、自身のコントに最先端のブラックミュージックのリズムを注入し続けた。『8時だョ!全員集合』の舞台で見せた軽妙な身のこなしやギャグの間合いは、すべて研ぎ澄まされたビート感覚に裏打ちされていたのである。

日本のテレビ放送業界が音楽産業と密接に結びついていたあの時代、コント番組は最先端のグルーヴを実験する実験室でもあった。「新宝島」が持つ四つ打ちのダンスビートと哀愁を帯びたメロディラインは、志村が愛したファンクの躍動感と歌謡曲の情緒が見事に交差した地点にある。コントの身体性とダンスミュージックの陶酔感が共鳴するのは、歴史的な必然だったと言えるだろう。