市場の変化は数値にもはっきりと現れている。米全体の消費量がゆるやかなカーブを描いて推移する一方で、1kgあたり1,500円を超える高価格帯プレミアム米の売上は前年比で大幅な伸びを記録した。消費者が求めているのは、大量のご飯ではない。一口食べた瞬間に口いっぱいに広がる香りと、圧倒的な甘みだ。
都内の高級スーパーでは、精米したての米を1合単位でパッケージ化した商品が飛ぶように売れている。「毎日たくさん食べる必要はない。週末の特別な食事や、頑張った日の夜に最高の状態で味わいたい」。そう語る30代の会社員のように、質へのこだわりはこれまでにない領域へ達した。