2022年を語る上で絶対に外せないのが、5月末に世界中の天文学者が固唾をのんで見守った「タウ・ヘルクレス座流星群」の存在だ。1995年に崩壊したシュワスマン・ワハマン第3彗星(73P)の残骸領域に地球が突入するという予測が立てられ、「1時間あたり数千本の流星嵐になるか、あるいは不発に終わるか」という世紀の大バクチとして世界中が沸き立った。
結果は、いわゆる「流星嵐(ストーム)」とまでは至らなかったものの、太平洋上の特定の観測点で低速で流れる特異な流星の集団がはっきりと確認された。彗星の核が分裂した際に放出されたダストの移動速度や拡散パターンに関する貴重な実測データが得られ、彗星崩壊モデルの修正を余儀なくさせる重要な成果をもたらしたのである。