なぜ豚こま肉は硬くなりやすいのか。理由は脂肪分と水分が加熱によって急速に失われるからだ。この課題をクリアする最大のポイントは、鍋に入れる前の「たった1分の下処理」にある。
プロが口を揃えて薦めるのが、片栗粉と少量の酒、そしてオイルによる保水コーティングだ。肉に軽く酒を揉み込み、片栗粉を薄く纏わせる。仕上げにごま油やサラダ油を極微量馴染ませることで、熱による旨味の流出を防ぎ、驚くほどジューシーな食感が保たれる。
もう一つの裏技が「しゃぶしゃぶ方式」の投入タイミングだ。ぐらぐらに沸騰したスープに肉をまとめて投げ込むのは厳禁。火を弱め、80度前後の微沸騰状態でサッと泳がせるように火を通すだけで、口の中で解ける柔らかさが実現する。