ステージ上で完璧な呼吸を見せるコンビにも、かつては無名の暗闇と挫折の季節があった。家族よりも長い時間を過ごし、夢と生活を共有する関係性は、友人ともビジネスパートナーとも異なる特異な結びつきである。
サンドウィッチマンが高校の同級生として上京し、10年近くにわたりアパートの一室で共同生活を送りながら、引退寸前で掴んだ劇的なブレイクストーリーは今や伝説だ。「相方が面白いから辞めなかった」というシンプルな信頼が、過酷な下積みを耐え抜く唯一の灯火だった。
また、養成所で出会い、衝突を繰り返しながら互いの才能を認めてコンビを組んだ者、あるいは一度解散して別の道を歩んだ末に再結成した者も少なくない。華やかなスポットライトの影には、深夜のファミレスで重ねたネタ合わせの記録と、互いの欠落を埋め合うことでしか成立し得なかった人間ドラマが眠っている。