私たちが普段口にする鶏肉は、部位ごとに驚くほど異なる個性を持っている。運動量の違いや脂肪のつき方によって、味の深みも食感の歯ごたえも全く別物になるからだ。焼き鳥店や精肉店で使われる代表的な部位の名前と基本的な特徴を押さえておこう。
最も身近な定番部位といえば「もも肉」と「むね肉」だ。もも肉は運動量が多く、コクのある脂とジューシーな旨味が凝縮されている。一方、むね肉は高タンパク・低脂質でさっぱりとした味わいとあっさりした食感が魅力だ。さらに手羽先や手羽元はコラーゲンが豊富で煮込み料理に最適であり、レバー(肝臓)やハツ(心臓)といった内臓系は濃厚な味わいでファンを魅了してやまない。
さらに一歩踏み込むと、「せせり」や「ぼんじり」といった希少部位の世界が広がっている。鶏一羽からごく僅かしか取れないこれらの部位は、かつては職人の間でしか流通していなかったが、今や食通たちの間では欠かせない存在となっている。