卓上に運ばれた瞬間、誰もが思わず歓声をあげ、スマートフォンを掲げる。螺旋状に組まれた木製の階段に、その日一番の鮮魚が色鮮やかに咲き誇る「刺身階段盛り」。カンパチのコリコリとした歯ごたえ、熟成された本マグロの濃密な旨味、そして皮目をサッと炙った鰆の芳醇な香り。視覚的なインパクトだけに頼らない、圧倒的な素材の力強さがそこにはある。
仕入れの要となるのは、目利きたちの確かな眼力だ。市場との長年の信頼関係があるからこそ、その日の早朝に水揚げされたばかりの上質な魚が惜しげもなく盛り付けられる。醤油を一滴たらし、口へと運ぶ。舌の上で跳ねるような弾力と脂の甘みに、思わず唸らざるを得ない。