日本映画界において、彼ほど「無様な死に様」を美しく、そして切なく演じ分けられた表現者は他にいない。彼がスクリーンで息絶えるとき、観客はそこに自分自身の弱さややるせなさを重ね合わせた。主役を輝かせるための引き立て役に過ぎなかったはずのポジションを、人間ドラマの核心へと押し上げた功績は計り知れない。
やがてその唯一無二の人間味は、映画の枠を飛び越えてテレビドラマやCMの世界でも愛されるようになる。不器用で、どこか憎めない庶民の哀歓を滲ませた笑顔は、過酷な映画現場で培われた強烈なリアリズムの裏返しでもあった。強面の裏にある底抜けの優しさと脆さ。その多面的な魅力こそが、時代を超えて人々を惹きつけてやまない理由だ。