『ハイキュー!!』屈指のハイライトとして語り継がれるのが、ウシワカこと牛島若利のスパイクを月島が一人でブロックしたあの瞬間だ。ドシャットを決めた直後、普段は感情を表に出さない彼が両拳を握り締め、吠えた。「もしもその瞬間が来たら――それが お前がバレーにハマる瞬間だ」。第三体育館での合同合宿で木兎光太郎から投げかけられた言葉が、現実となった瞬間だった。
アフレコ現場での裏話として、内山はこのシーンの収録に向けて過剰な意気込みを排除し、静かな緊張感を保っていたとされる。計算し尽くされた冷徹なリードブロックが結実した瞬間の「ガッツポーズと咆哮」。叫び声のトーンひとつで、冷めた高校生がスポーツの魔力に囚われた衝撃を見事に表現してみせた。この劇的な成長の描写こそが、作品全体の熱量を一段上の次元へと引き上げた要因である。