1980年代後半以降のカルチャーを決定づけたのは、間違いなくダウンタウンだった。彼らが持ち込んだ緊張感、日常の些細な違和感を鋭くえぐる視点、そして松本人志の言語感覚と浜田雅功の容赦ないツッコミのスピード感は、後進の芸人たちにとって長きにわたり逃れられない「教科書」であり続けた。
一方で、その強烈な影響下から抜け出し、全く異なる方程式で国民的地位を確立したのがサンドウィッチマンだ。彼らが提示した「誰も傷つけないが、圧倒的にバカバカしくて緻密」な笑いは、殺伐とした時代において究極の強度を発揮し、世代を超えた圧倒的な支持を獲得した。
そして今、この系譜に大胆な楔を打ち込んでいるのが令和ロマンである。彼らは漫才の構造そのものをメタ的に俯瞰し、客席の空気や賞レースの審査基準すらも即興でネタに取り込む。過去のレジェンドへのリスペクトを払いつつも、脱力した佇まいでゲームのルールを書き換えていく姿は、まさに新時代の幕開けを象徴している。