日本におけるこの文化の象徴が、銀座に店を構える「カフェーパウリスタ」だ。創業は明治43年(1910年)。「銀ブラ」という言葉の語源ともなったと言われる伝説の名店である。
彼らがブラジル・サンパウロ州の「パウリスタ農園」とともに作り上げた豆は、雑味が一切なく、口に含んだ瞬間に優しい香りが鼻腔をくすぐる。1970年代に銀座を訪れたジョン・レノンとオノ・ヨーコが、3日連続で店に通い詰めてこのコーヒーを楽しんだという記録は、今もファンの間で語り継がれる歴史的一幕だ。時を超えて愛される理由は、その一杯に込められた土地と自然への敬意に他ならない。