知性と品格の土台は、その初期のキャリアに色濃く表れている。東京大学を卒業後、日本放送協会(NHK)に入局。地方局での取材経験を経て東京アナウンス室へとステップアップを果たした彼女は、瞬く間に全国の視聴者から信頼を寄せられる存在となった。
特に多くの人々の記憶に刻まれているのが、『プロジェクトX〜挑戦者たち〜』での佇まいだ。戦後日本の産業史や無名の人々の奮闘を描いた同番組において、国井雅比呂アナウンサーらと共にスタジオを支えた彼女のナレーションと進行は、情熱的な物語に透明感と品位を与えた。情感に訴えかけるテーマだからこそ、抑制の効いた語り口が胸を打つ。このNHK時代に培われた盤石な基礎が、後のフリーランスとしての飛躍を支える強固な背骨となった。