食の宝庫として知られる三陸沖だが、地球温暖化に伴う海水温上昇の影響は深刻さを増している。サンマやカツオの不漁、サクラマスや牡蠣の生育環境の変化など、従来の漁獲パターンは崩れ去った。地元漁師からは「昔の常識がまったく通用しない」との悲鳴が上がる。
この危機に対し、地元の水産加工業者や研究機関は手をこまねいているわけではない。陸上養殖システムの高度化や、ゲノム編集技術を活用した高温耐性品種の育成、さらにはドローンと海洋センサーを駆使した精密漁業の実証実験が急速に進む。変化を拒むのではなく、変わりゆく海に柔軟に適応しようとする若手漁業者たちの挑戦が、新たな食文化の形成を後押ししている。