現代の患者が医療機関を選ぶ際、Google マップやCaloo(カルーなどの医療口コミサイトを参照するのは自然な流れだ。しかし、星の数や主観的なコメントを鵜呑みにするのは極めて危険である。皮膚科という診療科の特性上、レビューには特有のバイアスが強く作用するからだ。
低評価のレビューを精査すると、「診察が数分で終わった」「医師が無愛想だった」「薬の説明が短かった」といった接遇面への不満が大部分を占める。だが、皮膚科診断の多くは皮疹の形状・分布・性状を瞬時に見分ける「視診」に依存しており、熟練した医師ほど短時間で正確な病名に辿り着く。長時間の問診=名医とは限らないのが皮膚科学の現実だ。
反対に、患者の要望通りにステロイドや保湿剤を無制限に処方してくれるクリニックが「優しくて話を聞いてくれる」と高評価を得ているケースすらある。適切な診断に基づき、あえて強い薬を避けたり生活習慣の改善を厳しく指導したりする医師ほど、感情的な低評価をつけられやすい。ネット上の評価は院内の清潔感やスタッフの対応力を測る目安程度にとどめ、医療の質そのものは治療経過で冷静に判断すべきだ。