大手グルメレビューサイトの食べログなどでも連日高評価が相次ぐ錦糸町エリア。しかし、真に美味い一品を求めるならば、アルゴリズムの評価だけに頼るわけにはいかない。地元の常連客が静かに暖簾をくぐる隠れた名店にこそ、真の宝が眠っている。
今夜真っ先に足を運ぶべきは、看板を出さずに路地裏で営む隠れ家的な焼肉店だ。ここで味わえるのは、タンのなかでもわずかしか取れない稀少部位「タン元」を惜しげもなく極厚にカットした特選厚切りタン。表面は炭火でパリッと芳ばしく焼き上げられ、中には濃密な旨味を含んだ肉汁が閉じ込められている。ナイフを入れた瞬間の手応え、そして噛み締めた瞬間に解ける柔らかさは息をのむほどだ。
一方で、昭和の面影を残す小料理屋風の穴場店では、丹念に仕込まれた牛タンの塩焼きや特製タレ漬けが評判を呼ぶ。ネット上の情報や表層的な口コミには上がりにくいものの、長年愛され続ける理由が一目瞭然の仕上がりである。最新の肉のトレンドと職人のこだわりが同居するこの街で、自分だけの「至高の1着」ならぬ「至高の一皿」を探し出す喜びは何物にも代えがたい。