物語の核となる主人公を演じるのは、実力派女優の有村架純だ。これまで清純派から複雑な葛藤を抱える女性まで幅広く演じてきた彼女だが、本作で見せる表情はこれまでのイメージを鮮やかに覆す。極限状態に追い詰められ、正気と狂気の狭間で揺れ動く女性の心理を、静かなる迫真の演技で体現してみせた。
有村自身、撮影期間中は役柄に没入するあまり「プライベートでも自分がどこにいるのか分からなくなる瞬間があった」と吐露している。カメラが回っていない時間でも異様な緊張感を保ち続けた彼女の覚悟が、作品全体のトーンを一段高い次元へと押し上げたことは疑いようがない。