表参道の歴史を紐解くと、かつて明治神宮の参道として静謐な空気が流れていた門前エリアが、どのようにして国内有数のショッピング&観光スポットへ変貌したかがよく分かる。ケヤキ並木が織りなす美しい景観を損なわないよう、沿道の建築物は高さやデザインに厳しい制約が課されてきた。安藤忠雄氏が設計を担当した表参道ヒルズのように、地下空間を高度に活用する手法が用いられてきたのも、景観保全と都市機能の維持を両立させるための知恵である。
現在推進されている表参道エリア再開発プロジェクトにおいても、歩行者の回遊性を高める「歩行者中心の街づくり」が前面に打ち出されている。その反面、車で訪れるドライバー向けの駐車インフラ拡張は限られており、需要と供給のミスマッチが生じる根本的な原因となっている。