さつま町を象徴する風景といえば、見渡す限り一面に広がる美しい竹林だ。かつては放置竹林の拡大が全国的な環境問題として議論されていたが、同町はこのピンチを最大のビジネスチャンスへと変貌させた。2026年現在、地元のスタートアップと研究機関が共同開発した「竹由来のナノセルロース素材」や「100%可溶性竹プラスチック」は、欧州の環境規制に対応する次世代素材として世界中から注文が殺到している。
単なる原材料の出荷にとどまらず、地元工場での一次加工から製品化までを一貫して行うことで、若者の良質な雇用が大量に創出された。山を荒らす厄介者と扱われていた竹が、今や地域経済を強力に支えるゴールドラッシュの源泉となっているのは皮肉であり、同時に見事な逆転劇と言える。