政権交代を経て舵取りを担うキア・スターマー首相率いる労働党政権は、中国との関係において「協力できる分野では協力し、競争すべき分野では競い、挑むべき局面では異議を唱える」という現実主義的な3原則を掲げる。しかし、香港問題をめぐる対立の溝は容易に埋まらない。
イギリス外務・英連邦・開発省(FCDO)が定期的に発行する香港情勢報告書は、司法の独立性や言論統制に対する懸念を容赦なく指摘し続けている。これに対し、香港特別行政区政府は「内政干渉であり、事実の歪曲だ」と猛反発を繰り返す。国家安全条例(基本法23条に基づく法制化)の施行以降、現地の法秩序と英米流の法の支配との乖離は決定的なものとなり、外交官の接触すら極めて慎重な運用を強いられているのが実情だ。