ウォルト・ディズニー・カンパニーとピクサーの歴史においても、本作は大きな転換点となった。外部から招聘された異色の才能であるブラッド・バードがメガホンをとったことで、スタジオ内にそれまでにないエッジの効いたクリエイティビティが注入されたのだ。
その後、続編として制作された『インクレディブル・ファミリー』では、家事と育児に追われるボブと、表舞台で活躍する妻ヘレンの立場が逆転。時代の変化とともにアップデートされる「家族の役割」を軽妙に描き出し、世界的なヒットを記録した。その背景には、アニメーターたちが何千時間もかけて人間の些細な仕草や表情の変化を研究し尽くした泥臭い職人技が存在する。