「以前の米粉は、焼くとどうしても目が詰まったり、時間が経つと硬くなったりする弱点がありました」。そう語るのは、東京・自由が丘にオープンした米粉スイーツ専門店『グラース』のオーナーシェフ、渡辺一樹氏(42)だ。しかし、2020年代半ばにかけて飛躍的に普及した「気流粉砕技術」がその状況を劇的に変えた。
米粒を熱で傷つけることなく、平均粒径数十ミクロンという極小サイズまで均一に砕く技術が確立されたことで、水分と油分の保持力が爆発的に向上。メレンゲの気泡を殺さずにやさしく包み込むことが可能になった。「小麦粉ではどうしても出てしまうグルテンの重たさが、米粉には一切ない。結果として、口に入れた瞬間にスッと消えるような軽やかさと、みずみずしいしっとり感が両立できるのです」と渡辺氏は熱弁する。