経営トップである柳井正氏が指揮を執る株式会社ファーストリテイリングは、単なるファストファッションの枠組みを超え、生産から廃棄までの全プロセスに責任を持つ「情報製造小売業」への変革を宣言している。この壮大なビジョンにおいて、返品問題は避けて通れない経営課題だ。
従来のアパレル産業は、過剰生産と大量返品、そして売れ残り商品の廃棄という負の構造に依存してきた。安易な無料返品を放置することは、不要な移動に伴う温室効果ガスの排出を助長し、サプライチェーン全体を疲弊させる。返品ルールを厳格化し、消費者側にも一定の責任を求める姿勢は、業界全体の健全化に向けた意思表示でもある。
作られた服を可能な限り長く、価値ある形で循環させる。その企業哲学は、購入時の慎重な選択を促す規約設計にも色濃く反映されている。