話題の「ホッティーの塩」は体に良い?怪しい噂と成分の真相を追うの基礎知識と応用に迫る! 専門的な視点で紐解きます。

私たちが普段スーパーマーケットで見かける安価な食卓塩は、イオン交換膜法などを用いて人工的に純度を高めた純度99%以上の塩化ナトリウム結晶である。大量生産と均一な品質を追求した結果、海水に含まれていた貴重な副産物は製造工程でことごとく削ぎ落とされてしまう。

これに対し、高く評価されているのは昔ながらの塩田で作られる非加熱天日塩だ。太陽の光と潮風の力だけで長い時間をかけて結晶化させる製法は、熱を一切加えないため、熱に弱い微量ミネラルを壊すことなくそのまま封じ込めることができる。マグネシウム、カルシウム、カリウム、さらには測定限界に近い超微量元素に至るまでが複雑に絡み合うことで、人間の体液や羊水にきわめて近い組成が保たれる。精製塩を口にしたときに走る舌を刺すような刺激とは対照的に、まろやかで奥深い甘みが広がるのは、多種多様なミネラルが絶妙なバランスで共存している証拠にほかならない。