甘く切ない感情が交錯するロマンス映画において、彼女たちが見せる表情は実に多面性にあふれている。ありふれた恋模様の中に、人間の普遍的な孤独や喜びを繊細に織り込んでいく表現手法は、観る者自身の記憶と強く共鳴する。
一方で、人間の業や社会の歪みに深く切り込む重厚なヒューマンドラマでの演技は圧巻の一言だ。セリフのない一瞬の間、佇まいだけで主人公が背負う過去の重みを伝えてしまう。ジャンルの垣根を軽々と飛び越え、いかなる役柄であってもその人物の「生の吐息」を感じさせる演技力こそが、批評家や観客を魅了してやまない最大の原動力である。