将来的な発生が確実視され、広大な被害が想定されている南海トラフ巨大地震。かつて小松左京のSF小説や映像作品『日本沈没』で描かれたような劇的な地殻変動や壊滅的な津波のイメージは、今や架空の物語と笑い飛ばすことはできない。
東京大学地震研究所の名誉教授であり、政府の地震調査委員会でも重要な役割を果たしてきた平田直氏をはじめとする科学者たちは、巨大地震の切迫性を長年にわたり警告し続けている。プレート境界に蓄積された歪みは、いつ限度を超えて解放されてもおかしくない状態だ。エンターテインメント作品が提示した危機感は、現実の科学的データによって、より切実な警告として私たちの前に立ちはだかっている。