公園の西門を出てすぐの場所には、思想家・柳宗悦らが創設した日本民藝館がひっそりと佇んでいる。名もなき職人たちが作った日常の生活道具に美を見出す「民藝運動」の拠点となった場所だ。この民藝館と旧前田家本邸を合わせて巡るルートは、文化的な散策を求める人々にとって定番の散歩道となっている。
歴史的建築の持つ豪奢な美と、民藝品が持つ質朴で実用的な美。対照的な二つの「美」に触れることで、日常の視線が少しだけ豊かになる感覚を覚える。どちらも昭和初期の文化的な情熱を結実させた場所であり、歩いて数分という距離感が、心地よい思索の散歩コースを作り出している。