「高アルコール缶チューハイは市場から一斉に消えるのではないか」――業界内やSNSでまことしやかに囁かれた噂の発端は、競合他社が度数8パーセント以上の新商品開発から事実上撤退したことにある。棚の主役が低アルコールやノンアルコールへ急速にシフトするなか、消費者の関心は最大のシェアを握るサントリー株式会社の動向に集中した。
結論から言えば、ブランドそのものが消滅するわけではない。しかし、その開発思想は根本から再構築されている。サントリーが打ち出しているのは、単に「度数の高さで酔わせる」アプローチからの完全な脱却だ。アルコール特有のトゲ感を徹底的に抑え、果実本来の旨味や食事との相性を極限まで高める方向へリニューアルを重ねている。度数の強さという看板だけに依存せず、中味の圧倒的なクオリティで選ばれる日常酒へと、ブランドの骨格そのものを進化させているのだ。