近年の家族観の変遷を象徴するメルクマールとなったのが、名作『義母と娘のブルース』だ。血のつながりを持たない主人公が、不器用かつ愚直に娘との絆を紡いでいくプロセスは、従来の「血縁至上主義」的なホームドラマの文脈を心地よく打破した。
契約から始まった関係が、日々の積み重ねと対話を通じて本物の愛情へと昇華していく。そこで描かれたのは、無条件に湧き出る本能としての母性ではなく、意志を持って築き上げる「選択としての家族愛」だった。血縁という呪縛から解き放たれたこの作品の成功は、その後のドラマ制作における母親描写の自由度を劇的に押し広げる契機となった。