祭り当日の早朝、いや深夜3時。岸和田市内の美容室には、まだ薄暗い街の中に灯りがともり、熱気が充満する。1人あたり1時間半から3時間。髪の毛を数ミリ単位で均等にすくい取り、指先の力加減一つで仕上がりのモチが変わる壮絶な作業だ。
「だんじりの編み込みは、やりまわしの激しい動きや汗、雨にも絶対に負けてはダメ。それでいて美しくなければならない」と語るのは、この道15年のベテランスタイリスト。頭皮の引きつれを最小限に抑えつつ、祭りの2日間を完全に乗り切る強度を生み出す技術は、まさに職人技の域に達している。