長年、猫は体調不良や痛みを隠す天才だとされてきた。野生の残滓(ざんし)から、弱みを見せることが生存リスクに直結していたためだ。しかし2026年の今日、スマートフォンのレンズ越しに捉えた数枚の写真が、その秘密のベールを剥ぎ取りつつある。
獣医学界で注目を集める「猫のフェイシャル・グリマス・スケール(Facial Grimace Scale)」をベースにしたAI解析アプリは、耳の向き、目の狭まり具合、口元やひげの緊張度をミリ単位でスキャンする。特に注目すべきは、人間の肉眼では捉えきれない一瞬の目元のひきつりだ。これにより、慢性関節炎や内臓疾患の初期症状を、飼い主が気づく数か月前に検知することが可能になった。