現場で浮き彫りになるのは、女性たちが抱えるあまりに深い生活の亀裂だ。難波や扇町周辺に立つ女性の多くは、10代後半から20代前半。取材で判明したのは、彼女たちの多くがホストクラブの売掛金返済や、居場所を失った末に大阪へ流れ着いた漂流者であるという事実だ。ネットカフェや格安ホテルを転々とし、手元の現金が尽きればその日の宿泊費を稼ぐために路上に出る。この自転車操業から抜け出す手立てを、彼女たちは持たない。
一方、現場周辺の治安悪化を訴える住民の声は日増しに強まっている。客待ちの車が列をなし、買春目的の男たちと女性を監視するスカウトや客引きとの間で小競り合いが頻発。地域住民が不安を募らせるなか、行政と地域社会の間には埋めがたい溝が広がっている。路上に立つ行為は、個人の選択という枠組みを完全に超え、都市の構造的な病巣として露頭している。