物語はいま、過去最大にして不可逆の転換期を迎えている。母を元の姿に戻したいという純粋な願い。それこそが、ココを「つばみ帽」と呼ばれる禁忌の魔法師たちの標的に仕立て上げた。魔法は決して人前で描いてはならず、人体に直接かけてはならないという世界の絶対規範。しかし、ココの手元に残された「図形入りの本」は、その掟を根底から破破棄する禁断の鍵だった。
圧巻なのは、キーフリーが抱く過酷な執念の暴露だ。彼の右目を奪い、過去を惨劇で塗りつぶした「刻印の魔法師」。キーフリーがココを側に置く真の意図は、単なる師弟愛だけではなかった。ココが持つ禁忌の記憶とつながりを、復讐の糸口として利用しようとする危ういまでの狂気が垣間見える。弟子を守る盾でありながら、自らも禁忌の淵へと足を踏み入れつつあるキーフリー。二人が辿る道筋には、救いと破滅が表裏一体となって待ち構えている。