東武東上線の車窓から見える風景が落ち着きを見せる埼玉県坂戸市。この郊外の街で、ひときわ際立った存在感を放つのが北海ラーメン蝦夷だ。昭和の面影を強く残す店内は、カウンター席から小上がりまで連日満員。厨房では店主が巨大な中華鍋を豪快に振り、絶え間なく激しい炎を上げている。いわゆる「街中華」という親しみやすいジャンルでありながら、提供される料理の規格外さには誰もが息をのむ。
カウンターに腰を下ろすと、目の前を次々と運ばれていく皿の大きさに圧倒される。山のように盛られたから揚げ、溢れんばかりのチャーハン、そしてなみなみと注がれたスープ。一見すると大食いイベントの会場かと思わせる光景だが、ここに集うのはごく普通のサラリーマンや学生、ファミリー客だ。地元密着型の温かさと、圧倒的な挑戦意欲が同居する空間。それこそが、この店が坂戸で愛され続ける最大の理由である。