フライパン一つで麺を完璧に茹で上げるには、綿密に計算された水分と調味料の「黄金比」が欠かせない。失敗の原因として最も多い「麺がベチャッとする」「芯が残る」といったトラブルは、適切な黄金比さえ押さえれば完全に防ぐことができる。
まず絶対条件となるのが、使用するパスタの選択だ。タンパク質含有量の高いデュラムセモリナ100%のスパゲッティ(太さ1.6mm前後)を選ぶことで、加熱時のでんぷん流出がコントロールされ、驚くほどの弾力が生まれる。そして、乾麺100gに対する失敗しない水分の黄金比は「360ml〜380ml」だ。強火で一気に沸騰させた後、弱火〜中火で水分をじっくり蒸発させながら麺に旨味を吸わせていく。
さらに、仕上がりをプロの味へと引き上げる隠し味が、仕上げに加える「少量の醤油(小さじ1/2)と無塩バター5g」の組み合わせだ。和の旨味成分であるグルタミン酸とバターの濃厚なコクが、小麦のでんぷん質と乳化。たったこれだけの工夫で、まるで高級トラットリアで味わうようなモチモチ食感と圧倒的な深みが完成する。