ライブ本編が終了すると、フロアの空気は一変する。観客のお目当てである特典会の時間だ。ファンは物販カウンターでチェキ券をまとめ買いし、推しのメンバーが待つブースへと列を作る。数十秒から1分程度の間に交わされる親密な会話、肩を寄せ合ってのポージング、そして別れ際のハイタッチ。
この濃密な接触こそがファンを熱狂させる最大の要因だ。月に数十万円を投じる熱心な常連客も珍しくない。「自分の払ったお金が、彼の今月の家賃になり、夢を支える力になっていると実感できる」。あるファンはそう語った。手の届かないスターを遠くから眺めるのではなく、無名時代から直接育て上げる共犯関係。それがこの街に巨額のキャッシュを生み出すエンジンの正体だ。