日本の入試改革は、孤立した国内事情だけで進んでいるわけではない。背景には、国際的な教育水準の比較が強い影響を及ぼしている。OECDが実施するPISA調査(生徒の学習到達度調査)において、現実世界の課題を解決する応用力が重視されるようになって以来、日本の教育政策もその影響を色濃く受けてきた。
発達心理学の基礎を築いたジャン・ピアジェは、子どもが環境との相互作用を通じて認知構造を組み替えていくプロセスを解明した。彼が唱えた理論の核心は、受動的な知識の受容ではなく、能動的な試行錯誤を通じた認知の再構築にある。論理的思考力の形成には、自ら課題を捉え直し、概念を統合する体験が不可欠なのだ。
ペーパーテストの変容は、ピアジェの理論やグローバルな評価基準が半世紀の時を経て、日本の入試制度にようやく実体として結実した姿とも評価できる。