植物や菌類の特異な広がりを別とすれば、独立して動く単一の動物としてシロナガスクジラが頂点に君臨する事実に揺らぎはない。全長30メートル超、体重150トンから200トン。かつて地球上に存在したあらゆる恐竜をも凌駕する、正真正銘の史上最大動物だ。
心臓だけで小型車ほどの大きさがあり、舌だけでもアジアゾウ1頭分に匹敵する重量を持つ。彼らがこれほどの巨体を維持できるのは、海水の浮力と、膨大なオキアミの群れを一気に飲み込む並外れた捕食システムがあるからにほかならない。海洋生物学の研究者たちは、物理的な負荷やエネルギー効率の観点から、地球環境において動物が到達できる力学的限界サイズがこのシロナガスクジラであると分析している。