北米や欧州を中心とする海外市場への依存度が高まったことで、日本の出版社や配信事業者はかつてない圧力を受けている。欧米の主要プラットフォームでは、児童保護や性暴力描写に対するガイドラインが非常に厳格だ。
日本国内では「対象年齢18歳以上」や「青年誌掲載」として処理されてきた作品であっても、海外市場では即座に配信拒否や規制対象となる。ローカライズの段階で該当コマの削除や修正を余儀なくされるケースは常態化した。ある大手出版社の海外事業担当者は吐露する。「日本の作家が意図した文脈が、海外のコンプライアンスフィルターを通すと一律で『有害コンテンツ』と判定されてしまう。この摩擦の調整には膨大なコストと交渉が伴う」