高校野球の世界において、私立強豪校と公立校の間には長い間、埋めがたい構造的ギャップが存在してきた。全国から優秀な中学生をスカウトできる私立校は、専用の室内練習場や寮施設、充実したトレーニング機器を完備し、プロ並みの指導体制を敷く。一方の公立校は、他部活とグラウンドを共有し、日没とともに練習を終えざるを得ないのが日常茶飯事だ。
都道府県の越境入学制限や公立校ならではの予算制約も重なり、長年「甲子園の上位進出は私立の専売特許」と見なされてきた。しかし、その隔たりを「工夫」で埋めようとする情熱が、現在の勢力図を急速に書き換えている。