生活インフラのねじれは、ライフラインや公共サービスにおいてさらに顕著となる。上水道や都市ガスは地理的利便性から新座市側のインフラ網に依存する部分がある一方、警察の管轄は警視庁光が丘警察署、郵便物は大泉郵便局が配達を担う。
特に切実なのが子育てと教育だ。公立学校の学区域は練馬区立の小中学校となるため、子どもたちは新座市の住宅街を延々と通り抜け、都県境を越えて練馬区側の学校へ通学することになる。また、万が一の119番通報では、携帯電話の基地局の電波状況によって埼玉県の消防本部に繋がるケースがあり、そこから東京消防庁へ転送・情報連携されるというタイムラグのリスクと常に隣り合わせだ。地方自治・行政の縦割りが生み出す構造的ジレンマが、この極小の土地に凝縮されている。