日本におけるこの種の冷ややかな表現のルーツをたどると、かつて2ちゃんねるで盛んに使われていたアスキーアートに行き着く。掲示板の解説板や雑談スレッドで用いられた `( ´_ゝ`)`(フーン)というキャラクターは、熱狂する周囲の書き込みに対して冷めた視線を送るアイコンとして長年親しまれてきた。
当時、掲示板の創設者である西村博之氏が提唱した「スルー力(スルーりょく)」という考え方は、ネット上の過剰な感情論から距離を置く美学を定着させた。この風潮がネットスラングとして洗練され、現代のX (旧Twitter)へと引き継がれている。かつて何行にもわたる複雑なAAとして描かれていた冷めたリアクションは、スマートフォンの普及に伴い、1行のコンパクトな記号表現へと集約されていった。