都市空間の価値が「建造物の容積」から「体験の質」へと大きくシフトした事実を示すのが、森ビルが推進する「麻布台ヒルズ デジタルアート ミュージアム」の存在だ。国際的な文化発信拠点として機能するこの施設は、都市の思想そのものを象徴している。
こうした最新の都市開発における空間美学の背後には、建築家の隈研吾氏らが長年追求してきた「建築と自然環境の対話」という哲学が投影されている。無機質なコンクリートの箱に芸術作品を展示する時代は去った。風や光、空間の立体的な広がりとデジタル領域が重なり合い、都市そのものが一つの生きている有機体のように呼吸を始めている。