「手編みの貴公子」として知られるニットデザイナーの広瀬光治をはじめ、日本のクラフトシーンを形作ってきた巨匠たちの存在感は根強い。日本ヴォーグ社が長年にわたり編み図の標準化と教育体系を築き上げたおかげで、日本の編み図記号の記号文化は世界でも類を見ない精度を誇っている。
近年、特に再評価されているのが技法の多様性だ。代表的なクロッシェレースはかぎ針一本でダイナミックな模様を描くことができ、初心者から愛好家まで圧倒的なシェアを誇る。一方で、舟形のシャトルを用いて糸の結び目を作り出していくタティングレースも、その繊細で可憐な輪の美しさから若年層のハートを掴んでいる。
伝統的な技法を現代的なライフスタイルに合わせて再解釈する動きが広がっており、クラシックなモチーフをアクセサリーやバッグのワンポイントとして活用するアイデアが日々誕生している。