試合の均衡が破れたのは中盤の5回裏だった。それまで相手エースの鋭いスライダーに手を焼いていたレッドソックス打線だが、一瞬の隙を見逃さなかった。2死二塁のチャンスで打席に立ったのは、今季絶好調のクリーンナップ。カウント2-1からの4球目、真ん中高めに浮いたストレートを逃さずフルスイングすると、白球は夜空へ舞い上がった。
打球はフェンウェイ・パーク名物の巨大レフトフェンス「グリーンモンスター」を遥かに越え、街の闇へと消えていった。スタンドを埋め尽くした地元ファンは総立ちとなり、狂喜乱舞の大歓声がスタジアム全体を揺らした。一発で試合の流れを引き戻す、あまりにも劇的な勝ち越し本塁打だった。