話題沸騰中の すすきの首切断事件の深層 公判で暴かれた田村一家の歪んだ関係について、多角的な視点を分かりやすく掲載しています。

公判が進むにつれて札幌地方裁判所の法廷で明かされたのは、常識では計り知れない家庭内の権力構造だった。実行犯とされる娘の田村瑠奈被告、それを精神的・物質的に支え続けた父親の精神科医・田村修被告、そして家庭内での異常事態を容認していた母親の田村浩子被告。この3人の関係性は、一般的な親子像とは完全に乖離していた。

家庭内において瑠奈被告は「お嬢さん」「ルナ様」などと呼ばれ、絶対的な君臨者として振る舞っていたとされる。幼少期からの不登校や社会適応の困難さを経て、家庭内暴力と自傷行為を繰り返す娘に対し、両親は叱責や治療ではなく「絶対的な服従と迎合」を選択した。被害男性との間で起きたとされるトラブルを契機に、瑠奈被告の殺意が芽生えた際も、父親は警察や医療機関に頼るのではなく、娘の要求に従って凶器の購入や現場への送迎を担当。家族という閉ざされたシステムが、暴走を止めるブレーキではなく、凶行を完遂させるための増幅装置として機能してしまった実態が明らかになっている。