現在、街のあちこちで静かな工事が行われている。解体して巨大な箱を建てるのではなく、昭和の良質な名建築の骨組みを生かしつつ、内部を最新のスマートホームへとフルリノベーションするプロジェクトだ。
トレンドの中心にあるのは「バイオフィリックデザイン(自然と調和する建築思想)」。無垢の木材や地元の石材をふんだんに使い、広大な庭園とリビングの境界を曖昧にする大開口サッシを採用する。断熱性能は極限まで高められ、エアコンの風を感じさせない全館空調と自然換気システムが組み込まれている。
庭園の手入れも大きく変わった。かつての完璧に剪定された日本庭園から、生物多様性に配慮したネイティブガーデン(自生植物を中心とした庭)へとシフト。環境負荷を最小限に抑えながら美しさを追求する姿勢が、新しい住人たちの共通言語となっている。