町野変丸の代表作として語り継がれる『少女変態通信』は、発表当時から凄まじい賛否両論を巻き起こした。過激なフェティシズムと人体変形の極北を描きながら、そこに漂うのは異様なまでの静謐さである。血と肉が飛び散る場面であっても、描線はどこまでも清潔で冷たい。
この特異な二面性は、後続の『THE NU-TYPE GIRL』において更なる抽象度を獲得する。丸尾末広をはじめとする昭和のエログロ絵師たちが土着的な闇や見世物小屋の情念を背負っていたのに対し、町野が提示したのはサイバーパンクとポストヒューマンが交差する無機質な近未来の地獄絵図だった。痛覚を麻痺させるほど洗練された構図は、海外の現代美術コレクターやデザイナーの間でも密かにカルト的な信奉を集める要因となっていく。