彼女の才能を見出し、音楽家としての土台を築き上げた人物といえば、巨匠・市川昭介を外して語ることはできない。自身の芸名である「市川由紀乃」の「市川」も、恩師である市川昭介の姓を授かったものだ。若き日の彼女にとって、師匠の厳しいレッスンと温かい眼差しは、歌手人生の大きな支えとなった。
市川昭介から叩き込まれた演歌の心と発声の基礎は、彼女の骨格となり血肉となった。一度は声帯の不調や体調難により活動休止という苦難の時期を経験したものの、恩師から授かった歌への情熱が折れることはなかった。病に倒れた恩師の教えを胸に刻み、再びマイクを握る決意を固めたストーリーは、今も多くの演歌ファンの心を打つエピソードとして語り継がれている。